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【本紹介】「ゆとりの美学。力を抜くこと、サボることを恐れない」前田健太

元カープのエース、そして今はメジャーリーガーとして大活躍している前田健太投手(マエケン)の「ゆとりの美学。力を抜くこと、サボることを恐れない」を紹介します。

この記事を読むことで、結果を残すために心と身体にゆとりを持つ方法やマエケン流ルーティンがわかります。

マエケンとは

高校

大阪の名門PL学園に入学し、1年生で甲子園に出場しています。

3年生ではエースで4番を任され、ホームスチールを決めるなど身体能力は、ずば抜けていました。

カープ

2006年ドラフト1位でカープに入団します。

2年目で背番号18をもらい、9勝をあげるなど一気に飛躍しました。

2010、2015年には沢村賞を受賞します。2012年にはノーヒットノーランを達成するなど鯉のエース、日本を代表するピッチャーとなりました。

メジャー

2015年オフにポスティングを利用して、ドジャースに入団しました。

初登板初先発で初勝利をあげるとともに、初ホームランも放つなど鮮烈なデビューを果たしました。1年目は16勝、2年目は13勝をあげるなど、メジャーでも活躍しています。

2020年にツインズに移籍しアメリカン・リーグのサイ・ヤング賞投票2位になるなど、進化し続けています。

絵心ない芸人

マエケンは独特の感性のある絵が得意です。ファン感謝デーやヒーローインタビューで絵を披露しカープファンの間で話題になりました。その才能(?)が注目され、「アメトーーク!」の「絵心ない芸人」に出演するなど野球ファン以外にも知られるようになりました。

こちらは今年の干支だそうです!

内容

ルーティンが ”無の境地”を作り出す

ルーティンのポイント

ルーティンとは決まりきった手順・動作のことです。集中力を高めるのに役立っていると言われています。ラグビー日本代表の五郎丸選手がキックの前に手を組むポーズが有名ですね。野球でいうとイチロー選手が打席で右腕を伸ばすなどのルーティンがあります。

マエケンにとってルーティンとは、淡々とこなしていくことで、リズムを整え、心にゆとりを作る作業です。このルーティンを行う上での最大のポイントは「一度開始したらゆとりは排除する」ことです。なぜなら、ゆっくり行っていくと余計なことを考えてしまい不安が生まれるからです。淡々とこなしてこそ意味があるのです。

マエケンがこれほどまでにルーティンを重視するのは、緊張や不安、焦りを感じやすいからだそうです。いつも笑顔で、緊張はほとんど感じない選手と思っていたので意外でした。

ルーティンのポイント

  • 一度開始したらゆとりは排除する。
  • 大事なのは、時間的なゆとりではなく、心のゆとり。
  • そういえば、これっていつの間にかやっているなというレベルの行動をルーティンにする。

マエケン流ルーティン2016年版

マエケンがルーティンを始めたのは2年目(2008年)にプロ初勝利をあげてからだそうです。そこから内容は変化しています。ここではマエケンメジャー1年目(2016年)のルーティンを紹介します。

  1. コーヒーを買う
  2. 晩ご飯を食べる
  3. お風呂
  4. ヒゲを剃る
  5. ストレッチ、治療
  6. データ整理
  7. 同じパジャマ、下着で就寝
  8. 試合開始の7時間半前に起床
  9. 昼食
  10. お風呂、トイレ掃除
  11. 布団、パジャマをたたむ
  12. 同じ服装で自宅を出る
  13. 同じルートで球場へ向かう
  14. 車内で最後の1曲を決める
  15. 球場のお風呂
  16. ミーティング
  17. そば、おにぎりを食べる
  18. 着替えてトレーナーとストレッチ
  19. 左側のブルペンで投球練習(球数は25球)
  20. ベンチで監督、コーチ、選手とハイタッチ
  21. マエケン体操
  22. ファウルラインを左足でまたぐ
  23. 右手で胸に触れ、目を閉じる
  24. グローブで右肩を叩く

いや~こうしてみると長いですね。24項目もあります。マエケン体操は有名なので知っていましたが、トイレ掃除や食べるものを決めているなど項目が細かくて驚きました。これができるからこそ、一流なんですね。

サボることを恐れない

マエケンの出身校であるPL学園は生活や練習が厳しくて有名です。全てを全力で練習すると試合に至る前に燃え尽きてしまいます。試合にゆとりを持って挑むために、練習では様々なサボり方法を実践していました。

1つ目は、10本のランニングです。その際、最初は力を抜いてラスト3,4本で全力疾走をしていたそうです。こうすることで好印象で終われます。

2つ目は、学校の外周を走るときです。この場合は、1つ目と逆で最初から全力で走ります。何故かというと近道できるルートを見つけてあるからです。最初から飛ばしているため、誰にも見られずに近道をすることができます。

マエケンはサボってばっかでよくないと思われるかもしれませんが、これも試合のためです。日頃の生活に余裕を作っておくことで、試合で良いパフォーマンスを発揮できるのです。試合で結果を残すという目的を明確にしておくことが大事なんですね。

まとめ

前田健太投手の著書 「ゆとりの美学。力を抜くこと、サボることを恐れない」を紹介しました。

  1. ルーティンを実践すること
  2. サボること

いずれにも共通して言えるのは、試合でいかに最高のパフォーマンスを出すかという目的のために行っているということです。

心のゆとり、身体のゆとりの両方がそろってこそ最高のパフォーマンス、そして最高の結果が得られる。これは仕事においても言えるのではないでしょうか。

皆さんも自分が無意識にやっているなということを、書き出してみると面白いと思います。それをルーティンとして行うことで、心に大きなゆとりが生まれるはずです。

ご覧いただき、ありがとうございました!