昨年の12/29に「プロ野球戦力外通告」が放送されました。今回は、出演していた3選手とその去就について紹介します。
「プロ野球戦力外通告」
TBS系列で2004年から毎年年末に放送されている番組です。戦力外になった3選手を取り上げます。選手とその家族の、明日を掴み取る闘いに密着するドキュメンタリーです。
ナレーターは東山紀之さんです。
選手
巨人 田原誠次
1人目は、巨人の田原誠次投手です。宮崎県出身の31歳です。
聖心ウルスラ学園高 – 三菱自動車倉敷オーシャンズへと進み、2011年ドラフト7位で巨人 に入団します。1年目から中継ぎ投手として32試合に登板する活躍を見せ、巨人の優勝に貢献しました。5年目となる2016年にはキャリアハイとなる64試合に登板し、年俸は4500万円となりました。しかし、2020年は1軍で登板がなく、戦力外通告を受けます。
こちらが田原投手プロ9年間の通算成績です。
登板 | 勝利 | 敗戦 | HP | 防御率 |
222 | 12 | 7 | 47 | 3.13 |
通算200試合以上に登板するなど、今回紹介する選手の中で一番実績があります。
サイドスローからカットボール、シンカー、スローカーブなど多彩な変化球を投げ込む技巧派の投手です。222試合のうち1試合以外はリリーフで登板している中継ぎのスペシャリストです。対右打者に強いという強みがあります。
こちらは、トライアウトの結果です。
選手 | 結果 | |
1人目 | 巨人 村上 | 三振 |
2人目 | 阪神 伊藤隼太 | ツーベース |
3人目 | 巨人 折下 | 三振 |
伊藤選手にはツーベースを打たれますが、村上選手には高めのカット、折下選手には内角低めのシンカーでそれぞれ三振を奪うなど持ち味を発揮しました。
それでもNPBからの連絡はありませんでした。九州の社会人チームに入れるかもしれないという可能性もありましたが、選手編成が終わっていたため入団は叶いませんでした。
田原投手は、今後も引き続き野球に携われる道を模索するそうです。
DeNA 濱矢廣大
2人目はDeNAの濱矢廣大投手です。奈良県出身の27歳です。
日高高中津分校 – ホンダ鈴鹿へと進み、2013年ドラフト3位で楽天に入団します。1年目にプロ初勝利をあげますが、3年目2016年の13試合が最多登板と苦しみます。
2019年にはDeNAにトレードで移籍しますが、2019年は登板2試合、今シーズンは登板無しでした。そして、シーズンオフに戦力外通告を受けます。
こちらが濱矢投手のプロ7年間の通算成績です。
登板 | 勝利 | 敗戦 | HP | 防御率 |
40 | 3 | 1 | 3 | 7.25 |
濱矢投手は左腕から投げ込む150キロに迫る速球と、スライダーが持ち味です。2016年には9.2回で15奪三振を記録するなど、三振を奪う力があります。一方、10四球を与えてしまうなど制球に苦しんでいます。
こちらは、トライアウトの結果です。
選手 | 結果 | |
1人目 | 楽天 中村 | 四球 |
2人目 | 巨人 加藤 | 四球 |
3人目 | DeNA 飛雄馬 | 死球 |
制球に苦しみいずれのバッターにも勝負できませんでした。それでも岩隈投手から「スライダーはいい球いってる」と言われるなど、球にキレはありました。ブルペン投球の際も、ストレートに勢いがありました。実戦でこの球をストライクに投げ込むことは、難しいことなんですね。それだけプロの世界は厳しい。
濱矢投手もNPBからの連絡はありませんでした。それでも、千葉のクラブチーム「ヌーベルベースボールクラブ」からとメキシコリーグからの誘いがありました。
メキシコリーグはまだどうなるかわからないですが、野球を続けることができそうです。
ソフトバンク 田城飛翔
3人目はソフトバンクの田城飛翔選手です。神奈川県出身の21歳です。
八戸学院光星高校から2016年育成ドラフト3位でソフトバンクに入団しました。オープンスタンスからの巧みなバットコントロールが持ち味の外野手です。
1、2年目までは3軍暮らしが続きましたが、3年目の2019年に2軍に定着します。
そして、ウエスタンリーグ最多の108安打を記録するなど大きく飛躍しました。
あのイチロー選手も受賞したビッグホープ賞を受賞するなど、支配下も目の前だと思われました。しかし、今シーズンはケガに苦しみ2軍で37試合の出場に終わります(2019年は112試合)。
それでも将来性を見込まれ、シーズンオフには育成契約の延長を打診されました。しかし、田城選手はこの契約を断ります。一度自由契約になるため必ず契約してもらえるという保証は無いです。そのリスクをおかしてまでも、あくまで支配下として契約してもらい1軍で活躍するという固い意志がありました。このギラギラした気持ちにはグッときました。同じくソフトバンクの育成にいた長谷川投手がヤクルトに移籍し、1軍で活躍する姿に刺激をうけたそうです。
こちらは、トライアウトの結果です。
選手 | 結果 | |
1人目 | 楽天 由規 | 死球 |
2人目 | ソフトバンク 野沢 | 二フライ |
3人目 | 西武 野田 | 中安打 |
4人目 | 巨人 高井 | 遊ゴロ |
5人目 | 巨人 山上 | 三振 |
いきなり死球を受けますが、3打席目で左投手の野田投手のスライダーをセンター前ヒットにします。バットの返しでセンターに運ぶバッティングで、持ち味のバットコントロールを発揮しました。
田城選手にはオリックスから育成契約の打診がありました。その後他球団からの連絡はなく、オリックスと契約しました。目指していた支配下ではありませんでしたが、環境を変えたことで大きなチャンスになると思います。また、オリックスは吉田正尚選手しか外野手で固定されていないため、外野手の田城選手には十分チャンスがあると思います。
支配下を勝ち取って、1軍のレギュラーとしての活躍を願っています。
まとめ
「プロ野球戦力外通告」に出演しました田原投手、濱矢投手、田城選手を紹介しました。プロ野球は、こんなにいい球を投げる投手がクビになってしまう厳しい世界だということを再認識しました。そんな厳しいプロ野球の世界に入ってプレーしてきた選手は凄い人です。ご家族を含めて、3選手の幸せを願っています。
ありがとうございました!